ジャグラー一強時代が示すノーマル機の衰退|規制の矛盾とパチスロ業界の危機

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先日、行きつけのホールに「SLOTニューパルサーSP4 with 太鼓の達人」が新台として登場した。

早速打ってみたところ、前作のSPⅢから様々な改良が加えられていることがわかった。

前回の【リゼロApex】の記事でも書いたが、ここ最近は出玉面は置いといて楽しく打てる6号機ノーマルタイプはないものかといろいろな機種を物色し...

新台「ニューパルサーSP4」の特徴と実践結果

出玉率やBB獲得枚数のアップ、演出の追加、バウンドスタート&バウンドストップ確率カスタマイズ、出目法則の刷新など、多くの変更点が見られた。

特に興味深かったのは、バウンドスタート&バウンドストップ確率のカスタマイズ機能だ。

いろいろ試した結果、私はガセなしでBBRBともに4分の1で落ち着いた。演出を殺さないこのくらいの確率が自分好みだ。

ニューパルサーsp4 with 太鼓の達人 オススメカスタム

ジャグラー好きの人なら、バウンドスタートを4分の1に、バウンドストップを1.1分の1にすれば、ジャグラーと同じような感じで打てるだろう。

出目面では「ボーナス絵柄一直線」が無条件でリーチ目になったのは大きな変更点だ。

4号機時代からパチスロを打ち、アルゼ派だった私にとっては、これまでのニューパルのクセのあるリーチ目に違和感があったので、この変更を歓迎する。

ニューパルサーsp4 with 太鼓の達人 決まり手成立出目

今回の実践では1日で1000枚程度のプラスになった。設定は銀トロフィーが1回出たので3か4と推測される。

ニューパルサーsp4 with 太鼓の達人 銀トロフィー

打った感じとしてはノーマルタイプの割に「荒い」という印象。

コイン持ちがあまり良くないのでハマるとガンガン出玉が削られるが、BB獲得枚数が280枚と最高クラスなので連荘すれば一気に出玉が伸びる。

ボーナスは1枚掛け15枚払い出しの高速消化。出玉の波と併せて5号機ノーマルのように打てる台だと感じた。

出玉面でも演出面でもなかなかの良台だと思うのでメイン機種にしたいくらいだが、問題は導入台数の少なさだ。

私の行きつけのホールにも1台しか入らなかった。これでは強イベント時でも設定5程度が限界で、設定6を期待するのは難しいだろう。

ニューパルサーsp4 with 太鼓の達人 ゲチェナ



パチスロ業界の現状と課題

規制の矛盾

そして、ここからが本題だ。

現在のパチスロ業界は、射幸心を抑える名目で厳しい規制に縛られている。5号機から6号機への移行はその一環だったはずだ。

しかし、現実は規制の意図とは正反対の状況を呈している

三共の台を中心に、4号機顔負けの射幸心煽りまくりの爆裂機はおとがめなしで、1日5000枚出れば万々歳の射幸性の低いノーマル機が規制の煽りを一番食っているという、お粗末で歪な結果になっている。

この状況におかしいと思っている人は私だけではないだろう。

新規顧客獲得の難しさ

さらに深刻なのは、新規顧客の獲得が困難になっていることだ。

現在のパチスロ機は、モード、ゾーン、天井、有利区間など、打つ前に覚えなければならない知識が多すぎる。

新規どころか、ライトユーザーでさえ昨今のパチスロ機の仕組みがよく分かっていない人が多いのではないだろうか。

そして、これら最低限のことを理解しておかないと、増加の一途をたどるハイエナプレイヤーの格好の標的となってしまう。

これでは気軽に打つことなどできない。

4号機時代との比較

私がパチスロを始めた4号機時代初期を思い返すと、知識がなくても気軽に打てる機種が多かった。一部の裏物を除けばいつ打ち始めていつやめても良かったのだ(6段階設定はあったが)。

ただ、機種によっては目押しが必要な通常時の小役回収打法(DDT)やボーナス中のリプレイ外しはあった。

私にとって、このリプレイ外しが本当に楽しかった。

私は4号機の花火が実機を買うほど好きで、勝つことと同じくらいボーナス中のリプレイ外しが楽しくて毎日毎日打ちこんだ。

最初は全くできなかった目押しも、友人たちと一緒に練習しまくってだんだんと上達した。その過程もまるでゲームが上手くなるみたいな感じで楽しかった。

リーチ目の写真を撮る為にバーサスを打つ これまで、少ないながらもぼちぼち実践記事を書いていた私だが、ハナビとバーサスの記事は一度も書いてい...



業界復活への道

簡単に打てる機種の必要性

業界復活のためには、知識がなくても打てる機種を増やすことが必要不可欠だ。

気軽に楽しめる選択肢がジャグラーしかない現状は異常だと言わざるを得ない。

4号機時代のジャグラーは、ホールの片隅の一番目立たないところにある初心者・高齢者用パチスロ機だった。

私がまだ初心者の頃にジャグラーを打っていたら、友人たちに「いつまでもアリアハンでうろうろするなよ」なんてからかわれたものだ。

そのジャグラーが今はノーマルタイプの覇権を握っている状況は、昔の自分に教えたらさぞ驚いただろう。

ジャグラーが面白いから「ノーマルタイプの王」になったわけではない。

リプレイ外しや大量獲得、そしてリール制御が規制され、魅力的なノーマルタイプは姿を消し、残ったのがジャグラーだっただけのことだ。

規制の見直しと新たな機種開発

業界全体の未来を考えれば、今の規制を見直し、誰でも簡単に打てる&止められる機種づくりに注力すべきだろう。

個人的に問題だと思うのは、規則改正に重要な役割を果たす日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)の理事長が北電子の社長であることだ。

ジャグラーを製造する北電子にとっては、現状維持が最も利益になる。

圧倒的なシェアを誇っている北電子は今のままで何の問題もない。一方、ノーマルタイプのライバルであるユニバやサミー、平和、山佐あたりは今のままではバラに1台程度の台しか作れない。

しかし、北電子を含めたメーカーたちが本当に業界のことを考えて新規を増やしたいと思うなら、現行の過度に厳しい規制を見直し、ノーマルタイプなど、誰でも簡単に打てる&止められる機種づくりに注力してほしい。

さいごに

新台の「ニューパルサーSP4」を打ちながら、こんな業界の未来を考えずにはいられなかった。

現在のような社会構造かつ、ホールの低還元と敷居の高い機種構成では新規の取り込みも簡単ではない。

パチスロ業界の未来は、誰もが気軽に楽しめる機種の復活にかかっているのではないだろうか。

4号機時代からのパチスロ愛好者として、健全で楽しい業界の復活を切に願う。

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