「1000Gでブドウ200回超え、これはさすがに高設定だろ!」
「ブドウが全然落ちない、GODかよ。やっぱり低設定だろうな…」
ジャグラーを打っていると、たまにブドウの異常な上振れや下振れに遭遇する。
以前、ブドウ単体では設定推測の参考になりにくいという記事を書いた。設定1と設定6の差はわずか1.037倍。この微差では、通常のブレの範囲内で判別することは統計的に困難だ。
しかし、「通常のブレ」ではなく「異常なブレ」ならどうだろうか?
今回は、ベイズ推定(今の状況がどの設定で起こりやすいかを計算する統計手法)を使って、「異常値が設定判別の材料になるか」を検証してみた。
先に結論を言うと、「異常な上振れが3000G続けば、高設定の確率は約74%」 という意外な結果が出た。設定差わずか1.037倍の要素で、ここまでの数字が出るとは正直驚きだった。
検証に使うマイジャグラー5のブドウ確率

検証に使うのは、皆大好き「マイジャグラー5」。ブドウ確率は以下のとおりだ。
| 設定 | ブドウ確率 | 設定 | ブドウ確率 |
|---|---|---|---|
| 設定1 | 1/5.90 | 設定4 | 1/5.81 |
| 設定2 | 1/5.88 | 設定5 | 1/5.79 |
| 設定3 | 1/5.82 | 設定6 | 1/5.69 |
※ブドウ確率はメーカー非公表のため、なな徹さんの300万G実践値を使用。
設定1(1/5.90)と設定6(1/5.69)の差は約1.037倍。設定2と設定5に至っては1.016倍しかない。この微差で判別しろというのは、正直言って無理がある。
しかし、この微差が積み重なり、かつ「異常なレベル」で偏ったとき、話は変わってくるのではないか。
「異常値」とは何か?
統計学では、データのブレ幅を「標準偏差(σ:シグマ)」という指標で表す。簡単に言えば、「普通に起こりうるブレの範囲」を数値化したものだ。
- ±1σ(シグマ)の範囲内:約68%の確率で収まる(よくあること)
- ±2σの範囲内:約95%の確率で収まる(たまにある)
- ±3σの範囲外:約0.3%しか起こらない(異常値)
つまり、±3σを超えるブレは「300回に1回しか起こらない異常事態」ということになる。
具体的な数字で言うと、1000Gにおける設定6のブドウ理論値は約176回。標準偏差は約12回なので…
- 通常の範囲(±2σ):152回〜200回
- 異常な上振れ(+3σ):211回以上(1/4.74以上)
- 異常な下振れ(-3σ):140回以下(1/7.14以下)
【実践中の目安】
- 1000Gで200回以上(1/5.0以下)→ 異常な上振れ
- 1000Gで143回以下(1/7.0以下)→ 異常な下振れ
検証結果:異常な上振れは使えるか?
では、この「異常値」が出たとき、設定判別の材料になるのか。ベイズ推定を使って計算してみた。
上振れパターン(+3σが続いた場合)
| ゲーム数 | ブドウ確率 | 低設定(1・2) | 高設定(5・6) | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 1000G | 1/4.74 | 15.5% | 55.7% | × |
| 1500G | 1/4.89 | 12.1% | 61.5% | △ |
| 2000G | 1/4.98 | 9.5% | 66.4% | △ |
| 2500G | 1/5.04 | 7.6% | 70.4% | ○ |
| 3000G | 1/5.09 | 6.2% | 73.7% | ○ |
※事前確率は各設定均等(1/6)で計算。ホールの設定配分によって実際の数値は変動する。
※ゲーム数が増えると同じ+3σでも確率は理論値に近づく(1/4.74→1/5.09)
興味深い結果が出た。
3000Gで+3σの上振れが続いた場合、高設定(5・6)の確率は73.7% に達する。設定差わずか1.037倍の要素だけで、ここまでの数字が出るのは正直驚きだ。
ただし、1000G〜2000G程度では高設定確率は55〜66%程度。「ちょっと期待できるかも」程度で、確信を持つには早い。
下振れパターン(-3σが続いた場合)
| ゲーム数 | ブドウ確率 | 低設定(1・2) | 高設定(5・6) | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 1000G | 1/7.19 | 50.3% | 19.0% | △ |
| 2000G | 1/6.67 | 55.4% | 15.6% | △ |
| 3000G | 1/6.47 | 58.8% | 13.5% | △ |
下振れの場合は、上振れほど明確な判別材料にならない。
3000Gで-3σの下振れが続いても、低設定(1・2)の確率は58.8%止まり。「怪しい」とは言えるが、「ほぼ低設定」と断言するには弱い数字だ。
上振れは高設定との親和性が高く、異常なレベルで続けば判別材料になる。一方、下振れはどの設定でも起こりうる範囲のため、上振れほどの精度は出ない。
実践的な目安:特定のブドウ確率が出たら?
もう少し実践的な視点で見てみよう。「1/5.0が出た」「1/7.0が出た」という特定の確率が、何ゲーム続けば判別材料になるのか。
| ブドウ確率 | 1000G | 2000G | 3000G | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1/5.0(かなり良い) | 49% | 65% | 79% | 3000Gで期待大 |
| 1/5.2(良好) | 44% | 56% | 67% | 続けば参考に |
| 1/5.4(やや良い) | 40% | 47% | 54% | 中途半端では材料になりにくい |
| 1/6.5(悪い) | 43% | 52% | 60% | やや注意 |
| 1/7.0(かなり悪い) | 49% | 62% | 73% | 3000Gで危険信号 |
※数値は高設定(5・6)の確率。下振れの場合は低設定(1・2)の確率。
ここから見えてくる重要なポイントがある。
「やや良い(1/5.4程度)」は、中途半端なゲーム数・サンプル数では判別材料になりにくい。
1/5.4は設定6の理論値(1/5.69)より良い数字だが、3000G程度では高設定確率は54%止まり。5000G、8000Gと回せば精度は上がっていくが、実践的な時間内で判断材料にするのは難しい。
判別に使いやすいのは、「ありえないレベルの上振れ(1/5.0以下)」か「ありえないレベルの下振れ(1/7.0以上)」だ。
結論:異常値だけが情報になる
今回の検証で分かったことをまとめると以下のようになる。
1. 異常な上振れ(+3σ)が3000G続けば、高設定の確率は約74% → 設定差1.037倍の要素でも、異常値が持続すれば判別材料になりうる
2. 下振れは上振れほど当てにならない → 3000Gで-3σでも低設定確率は59%止まり
3. 「普通に良いブドウ」は中途半端なサンプルでは判別材料になりにくい → 1/5.4程度では実践的な時間内での判断は難しい
つまり、ブドウが「明らかにおかしい」レベルで良ければ(1000Gで200回以上、1/5.0以下)、それが3000G以上続いたら高設定を期待していい。逆に「ちょっと良いかな」程度(1/5.4くらい)では、何も判断しないほうがいい。
そして、前述のとおり、下振れは上振れほど当てにならないので、「ブドウが悪いから低設定だ」と即断するのは危険だ。
さいごに

以前の記事で「ブドウでは設定判別は困難」と書いた。その結論は変わらない。
ただ、今回の検証で「異常値なら話は別」ということが分かった。1/5.0を切るような上振れが3000G以上続くなら、それは単なる偶然ではなく設定の影響かもしれない。
もちろん、ブドウの異常値だけで判断するのではなく、REG確率など他の要素と合わせて総合的に判断することが大切だ。あくまで「判断材料のひとつ」として活用してほしい。
とはいえ、そんな異常値に遭遇すること自体が稀だ。普段のジャグラー実践では、やはりREG確率を軸に判断するのが王道だろう。
ただ、退屈なジャグラー実践に、ひとつやることが増えたのは確かだ。
GOGOランプの点灯を祈りつつ、ブドウの異常な上振れにも密かに期待する。そんな欲張りな打ち方も、数学的には少しだけ根拠があるのかもしれない。




