前回の記事で、マイジャグラーVのブドウの異常な上振れや下振れは設定判別の材料になりうることを検証した。
結果は「+3σの上振れが3000G続けば、高設定の確率は約74%」というものだ。
しかし、あの検証には「各設定が均等に存在する(1/6ずつ)」という、現実離れした前提があった。
実際のホールでは設定5・6なんて滅多に入っていない。通常営業なら設定1・2がメインで、設定5・6は数パーセントあれば良い方だろう。
今回は、この「厳しい現実(現実的な事前確率)」を考慮した上で、ブドウの異常値とREG確率を掛け合わせることで、早期の設定判別が可能かを検証してみた。
「事前確率」の設定(ホールの現実)
今回の検証では、以下の事前確率(設定割合)を使用する。
| 設定 | 通常営業 | イベント日 |
|---|---|---|
| 設定1 | 23.0% | 10.0% |
| 設定2 | 47.0% | 40.0% |
| 設定3 | 15.5% | 10.0% |
| 設定4 | 12.0% | 20.0% |
| 設定5 | 1.8% | 13.0% |
| 設定6 | 0.7% | 7.0% |
| 5・6計 | 2.5% | 20.0% |
通常営業では設定5・6の合計がわずか2.5%。この「高設定がほぼない」状態から、データだけで正解を引けるのかを検証していく。
掛け算の効果はどれほどか?
まず、3000G回した時点でのデータ比較だ。
「ブドウだけが良い場合」「REGだけが良い場合」「両方良い場合」で確率はどう変わるだろうか。
通常営業(設定5・6が2.5%)での高設定確率
| パターン | ブドウ確率 | REG確率 | 高設定(5・6)確率 |
|---|---|---|---|
| ブドウ良い(+2σ)のみ | 1/5.28 | — | 7.8% |
| REG良い(+2σ)のみ | — | 1/150 | 32.6% |
| 両方良い(+2σ) | 1/5.28 | 1/150 | 57.0% |
※+2σとは「20回に1回しか起こらない上振れ」のこと。3000G時点ならブドウが1/5.28以下、REGが1/150以下で引けていれば該当する。
ブドウ単体では7.8%、REG単体では32.6%しか期待できない。 しかし、両方の要素を掛け合わせると57.0%まで跳ね上がる。
「元々2.5%しかなかった可能性」が、2つの要素が重なることで50%を超える。これが確率の掛け算の効果だ。
さらに、異常値のレベルが上がれば精度も高まる。両方とも+3σ(超異常値)だった場合、通常営業でも高設定確率82.5%という高い数字が出た。
早期判別(1000〜2000G)は可能か?
では本題だ。1000G〜2000G程度の早い段階で、高設定を見抜けるだろうか。
通常営業での早期判別
- 1000G(両方良い(+2σ) ):18.3%
- 2000G(両方良い(+2σ) ):37.2%
正直に言うと、通常営業での早期判別は厳しい。
1000GでブドウもREGも絶好調だったとしても、その台が高設定である確率は20%以下。元々の配分が悪すぎるため、「どうせ低設定のマグレ吹きだろう」という可能性を否定しきれないのだ。
イベント日での早期判別
- 1000G(両方良い(+2σ)):63.9%
- 2000G(両方良い(+2σ)):80.8%
一方で、イベント日なら世界が変わる。
1000Gで63.9%、2000Gで80.8%。元々高設定が入っている期待感(事前確率20%)があるおかげで、データの良さが素直に信頼度につながるのだ。
REGとブドウ、どちらが重要か?

ここで興味深いデータがある。「片方だけが良い」場合、どちらを信じるべきだろうか。
3000G時点での比較(通常営業)
| パターン | 高設定(5・6)確率 |
|---|---|
| REG良い(+2σ) 、ブドウ普通 | 35.5% |
| ブドウ良い(+2σ)、REG普通 | 16.9% |
やはりREGの方が判別には強力だ。設定差の大きさが違うため、当然の結果とも言える(ブドウの設定差1.03倍に対し、REGは約1.8倍)。
さらに極端な例を見てみよう。
- ブドウ良い(+2σ) 、REG悪い(-2σ) → 高設定確率 1.4%(ほぼ絶望)
- ブドウ悪い(-2σ)、REG良い(+2σ) → 高設定確率 21.2%(まだ望みあり)
「REGが悪い台は、ブドウがどれだけ良くても期待できない」
これは肝に銘じておくべき事実だ。
下振れは「やめる根拠」になるか?
設定判別は「打つ根拠」だけでなく「やめる根拠」も重要だ。
3000G時点での低設定確率(通常営業)
| パターン | 低設定(1・2)確率 |
|---|---|
| 両方普通(理論値) | 40.0% |
| ブドウ悪い(-2σ) のみ | 56.2% |
| REG悪い(-2σ)のみ | 80.9% |
| 両方悪い(-2σ) | 88.7% |
下振れパターンでは、低設定の確率が非常に高くなる。
両方の数値が悪い場合、低設定である確率は約9割に達する。これは「やめる根拠」として十分すぎる数字だろう。
結論:早期判別は「店選び」から始まっている

今回の検証で分かったことをまとめる。
- 通常営業での早期判別は無理 → 1000Gでどれだけ数値が良くても、高設定の可能性は低い。「見(ケン)」が正解。
- イベント日なら早期判別が可能 → 1000Gで両方良ければ続行、2000Gで80%以上の信頼度になる。
- REGはブドウより偉い → REGが引けていない台のブドウを数えても意味はない。
- 下振れは素直にやめるべき → 両方悪いなら、それはほぼ低設定だ。
ジャグラーの設定判別において、ブドウやREGの数値を気にする前に、「今日、その店に高設定が入っているか」を考えることが何より重要だということだ。


優良店のイベント日に座れば、確率の掛け算が味方をして早期判別も可能になる。しかし、設定の入っていない通常営業で小役カウンターを使っても、数学的にはほとんど意味はない。
ブドウとREGの上振れを祈る前に、まずは打つ店を選ぶこと。 身も蓋もないが、これが数学が出した正直な結論だ。



