先日、「Lクレアの秘宝伝~はじまりの扉と太陽の石~(BTver)」(以下、BTクレア)の詳細な小役確率とボーナス重複率が公開された。
「設定6のベル確率は1/5.63、設定1は1/5.98」
「強チャンス目は設定6で1/2048、設定1で1/8192」
私は自分がよく打つ台の詳細データが公開されると、毎回設定推測の目安をアップデートしている。
その過程で再確認したのが、ジャグラーシリーズのブドウでの設定推測/判別の困難さだ。
今回はBTクレアの解析データを参考に、ジャグラーシリーズのブドウカウントの意味や価値について書いていく。
BTクレアの設定推測目安アップデート

まず、今回公開されたBTクレアの設定差を簡単に見てみよう。
主要な小役・特定ボーナスの設定差
| 項目 | 設定1 | 設定6 | 差の大きさ |
|---|---|---|---|
| ベル | 1/5.98 | 1/5.63 | 小 |
| チェリー | 1/91.0 | 1/86.1 | 小 |
| 強チャンス目 | 1/8192 | 1/2048 | 特大 |
| チェリー×REG | 1/2340 | 1/1024 | 大 |
| チャンス目×BB | 1/474.9 | 1/378.8 | 中 |
大都はかなり詳細な数値を公開してくれたと思う。これだけ数値が揃えば、設定推測の精度はかなり高まるだろう。
実際に、各ゲーム数でどれくらい設定推測できるのかを計算してみた。
1000G~2000G時点の推測精度
ベル確率だけでは完全に運ゲー。設定1でも上振れて1/5.0で引くこともあれば、設定6でも下振れて1/7.0になることがある。この段階でベルを信じるのは危険。
一方で、強チャンス目を1回でも引けば高設定の期待度はかなり上がる。設定1で2000G以内に引く確率は約22%しかないが設定6なら約62%もある。それに加えて、チェリー×REGが複数回来れば、その時点でほぼ5、6を確信できるレベルだ。
3000G時点
ベル確率がようやく参考程度に使えるレベルになってくる。ただし、まだ「上振れした設定1」と「下振れした設定6」の区別がつかないグレーゾーンは広い。
この時点で、強チャンス目が0回なら黄色信号だ。設定6なら77%の確率で引けているはずの段階なので、ここで引けていないと少し怪しくなってくる。
5000G以降
ベル確率の信頼度が急上昇する。設定1と6の分布の重なりがかなり小さくなるため、ここまで来れば「ベル1/5.6以下+強フラグ複数回」で高設定濃厚と言える。
ベル単体での設定推測は難しい
計算の過程で改めて感じたのはベル単体での設定推測の難しさ。特に序盤は押し引きの参考にはなりにくい。
むしろ重要なのは、強チャンス目やボーナス重複といった「分母の重いフラグ」だ。これらが引けるかどうかで、推測の精度とスピードが劇的に変わる。
そして興味深いのは、時間帯によって見るべき指標が変わるということ。
序盤は重いフラグ(強チャンス目など)が主役で、終盤になるとベル確率のような軽いフラグが信用できるようになってくる。
だが、ここで最も重要なのは、これらの計算が可能なのは「メーカーが正確な数値を公表しているから」という事実だ。

ジャグラーシリーズとの決定的な違い

さて、では本題のジャグラーではどうだろうか?
ジャグラーシリーズの現状
私も含め、多くのプレイヤーが「カチカチ君」などで小役をカウントし、攻略サイトの数値と照らし合わせて設定推測をしている。
しかし、ここに大きな問題がある。
攻略サイトA:「設定6のブドウは1/5.65」
攻略サイトB:「設定6のブドウは1/5.75」
有名ライター:「1/5.7くらい」
気づいただろうか?これらはすべて推定値だ。メーカーの公表値ではない。
なぜサイトによって数値がバラバラなのか?
攻略サイトに記載されているジャグラーシリーズの小役確率などの数値は、主に「公式アプリのシミュレーション結果」をもとに算出されている。
メーカー(北電子)が公表しているのは基本的には「機械割(出玉率)」と「ボーナス確率」だけ。ブドウ確率はもちろん、チェリー確率、ピエロ確率、さらには単独REG確率や重複確率まで、その多くが非公表だ。
さらに公表されている機械割に関しても、「適当打ち」が前提とは言われているがその詳細は謎に包まれている。
そのため、攻略サイトは公式アプリを数百万ゲーム回して、その実践値から各種確率を推定している。機械割から逆算する方法もあるが、その計算に必要な小役データ自体がアプリの実践値なので、結局はすべてアプリ頼りになっているのが現状だ。これが攻略サイトの数値がバラバラである理由なのだ。
しかし、アプリは「実機をそのまま移植」と言う人もいるものの、実際には「仕様書をもとに再現したもの」だろう。乱数生成の方法や微細な制御まで完全に一致している保証はどこにもない。
つまり、ジャグラーの設定推測で使われている数値のほとんどは、メーカー公表値ではなく「アプリの実践値という推定値」なのだ。
「算数」のクレア、「天気予報」のジャグラー
ここで、クレアとジャグラーの本質的な違いが見えてくる。
クレアは「算数」だ。
答え(公表値)があり、式(カウント)があり、解けば正解が出る。ここには安心感と論理的整合性がある。
対して、ジャグラーは「天気予報」といえるだろう。
真の値は神(メーカー)しか知らない。プレイヤーは不確かなデータから「最も可能性が高い分布」を推論し続けるしかない。
数学的に言えば、クレアは「確定した数値(1/5.63)」で計算できる。対してジャグラーは「1/5.7なのか1/5.8なのか分からない推定値」を使って推測しようとしている。
これは、「定義されていない定数を使って、未知数を解こうとしている」ようなものだ。数学のテストなら「解なし(不能)」と書くのが正解だろう。
ブドウ確率単体での設定推測

では、仮に「設定6=1/5.7」が正しいとして、クレアと同じように計算してみよう。
標準偏差から見る「ブレ幅」
スロットの確率には必ず「ブレ」がある。このブレ幅を示すのが標準偏差だ。
マイジャグラーVの設定6(機械割109%程度)を8000ゲーム回した場合、95%の確率で収まる範囲(信頼区間)は期待差枚数 ± 約2000~2500枚。
つまり、設定6を1日打っても、運が悪ければ「+500枚(ショボ勝ち)」で終わるし、運が良ければ「+5500枚(大爆発)」することもある。この程度のブレは普通に起こりうる。
ゲーム数別の推測精度
では、ブドウ確率だけで推測しようとした場合、どれくらいのゲーム数が必要なのか?
- 1000G時点
完全に運ゲーだ。設定1でも1/5.0で引くこともあれば、設定6でも1/7.0になることがある。判断材料にならない。 - 2000G時点
まだブレ幅が大きい。 設定6が設定1の数値を叩く確率が約20%ある。「ちょっと良い/悪い」程度では何も分からない。 - 3000G時点
ようやく傾向が見え始める。 ただし、「上振れした設定1」と「下振れした設定6」の区別がつかないグレーゾーンがまだ広い。 - 5000G時点
信頼度が急上昇。 設定1と6の分布の重なりがかなり小さくなる。ここで1/5.6を切っていれば高設定期待度はかなり高い。 - 8000G時点(終日)
かなり収束する。 設定1が設定6の数値をキープし続けることは統計的に稀(数%以下)だ。
結論
ベルだけで押し引きを決めるなら、最低でも3000G、できれば5000Gのサンプルが必要だ。
しかも、これは「1/5.7が正解」という前提での話だ。実際はそもそもの数値が怪しいのだから、さらに精度は落ちる。
ブドウは押し引きには使えないが答え合わせには優秀
「やっぱりブドウをカウントする意味はないな」と思う人も多いかもしれない。
しかし、クレアの設定推測と同様に、複合要素(掛け算の魔法)として利用することや時間帯で重要度が変わることはジャグラーシリーズにもあてはまる。
ブドウカウントの意味
私はジャグラーシリーズでのブドウカウントの持つ意味を以下のように捉えている。
単体では序盤の押し引きに使えない
数値が不確定な上に、1000G~3000G程度ではブレが大きすぎて判断材料にならない。
「ブドウが良いから続行」「ブドウが悪いからヤメ」という判断は危険だ。
答え合わせとしては優秀
5000G以上回せば、かなり信頼できる数値になってくる。
その日の勝ち負けが「設定のおかげ」なのか「ただの運」なのかを見極める材料として非常に有用だ。
REGなどとの複合で精度が上がる
ただし、ここで注意したいのは、「REG悪い、ブドウ良い」は続行の根拠にならないということだ。
これは多くの場合低設定の上振れだ。信頼度の高いREG確率が悪いという事実を、不確かなブドウの良さで上書きしてはいけない。
ブドウが機能するのは、あくまで「REGが設定4くらいで微妙な時」だけだ。このような時はわずかながら押し引きの材料になる。
逆にREGが良ければブドウが悪くても続行する。なぜならREGの方が信頼度が圧倒的に高いからだ。
ジャグラーシリーズでの実践的な使い方
私の実践経験から、ブドウ確率は以下のように使い分けるべきだと考えている。
序盤(~2000G):カウントするだけ
この段階でブドウは基本的に無視する。良くても悪くても信じてはいけない。見るべきは設定差の大きいREGやBIGだけだ。
特にREG確率にはブドウ以上に大きな設定差がある。例えば、マイジャグラーVの場合、単独REG確率は、設定1で約1/660だが設定6は約1/330と約2倍の差だ。序盤で判断材料になるのは、この「REGが引けているか」という一点に尽きる。
中盤:REGが微妙な時の「念のため確認」
REGが引けているが、BIGがついてこない場合、ブドウが良ければ「もう少し様子を見よう」という判断ができる。REGが微妙でブドウも微妙なら撤退を検討する。
ただし、繰り返しになるが「REG悪い、ブドウ良い」で続行するのは危険だ。つまり、迷った時の念のため確認として使うイメージだ。
「REGが主役、ブドウは脇役」 これを忘れてはいけない。
終盤(5000G~):答え合わせ
ここまで来ると、ブドウ確率は比較的信用できるようになる。
勝っていてもブドウが1/6.2なら「低設定の誤爆だったかも」と反省できる。負けていてもブドウが1/5.6なら「設定はあった。ヒキで負けた」と納得できる。
この「答え合わせ」が、次回以降の立ち回り精度を高めてくれる。
まとめ

BTクレアとジャグラーシリーズの小役での設定推測について考えた時、改めて感じたのはメーカー公表値があることの圧倒的なアドバンテージだ。
クレアでは「設定6で1/5.63」という確定した数値があるからこそ精密な計算ができる。
対して、ジャグラーシリーズは、ブドウ確率だけでなく、チェリーやピエロ、さらには単独REG確率まで、すべてが推定値だ。
「1/5.7なのか1/5.8なのか分からない数値」で設定を推測する。数学的には破綻しているが、利用できないこともない。
ただし、使い方を間違えてはいけない。ブドウは序盤の押し引きには使えない。5000G以上の答え合わせ、REGが微妙な時の保険として使うべきだ。
そして、ここでも最も重要なのは、やはり「根拠のある台選び」だ。高設定が入っていない状況での設定推測には意味がない。魚のいない池に釣り針を垂らしているようなものだ。
ジャグラーのブドウは「信じる」ものではなく「利用する」もの。そして、利用する価値があるのは根拠のある台だけというのを理解すれば、自ずと勝率は上がっていくだろう。




