パチスロ規制の矛盾が、業界に新たな課題を突きつけている。
5号機から6号機への移行は射幸心を抑える名目で行われたはずだが、現実は皮肉にも規制の意図とは正反対の状況を呈している。
三共の台を筆頭に、4号機顔負けの射幸心煽りまくりの爆裂機がまかり通る一方で、1日5000枚出れば上出来の射幸性の低いノーマルタイプが規制の煽りを一番食らっているという、お粗末で歪な結果になっているのだ。
私を含め多くのノーマルタイプ好きパチスロファンが、この状況に憤りを感じているのではないだろうか。
そんな中、ノーマル好きの救世主として期待が高まっているのが「疑似ノーマルタイプ」の台だ。
最初は「ノーマルタイプに近づけてはいるけれど所詮AT機だろ。紛い物の糞台に違いない」と思っていたのだが、実際に打ってみると、これが意外と面白い。
今回は、最近よく打っている「ガメラ2」と「アオハル♪操 A-LIVE」という2つの疑似ノーマルタイプの台を通じて、その可能性を探ってみたい。
ガメラ2:進化した大量獲得疑似ノーマルの真髄
設定 | BB確率 | RB確率 | ボーナス合算 | 出玉率 (完全攻略) |
---|---|---|---|---|
1 | 1/376.9 | 1/527.1 | 1/219.8 | 99.0% (102.0%) |
2 | 1/370.3 | 1/517.4 | 1/215.8 | 99.8% (102.9%) |
3 | 1/356.1 | 1/505.5 | 1/208.9 | 101.4% (104.7%) |
4 | 1/341.1 | 1/492.6 | 1/201.6 | 102.9% (106.4%) |
5 | 1/326.3 | 1/479.8 | 1/194.2 | 105.1% (108.9%) |
6 | 1/311.0 | 1/464.2 | 1/186.2 | 107.2% (111.3%) |
ガメラ2は、前作のガメラをブラッシュアップした感じで、演出も多彩になり、前作の一番の問題だった「冷遇」をあまり感じさせない(レギュラーの連打など実際は何らかの形であると思うが)作りが非常に気に入っている。
裏ノーマルモードを中心にまだ40000Gほどしか回せていないが、かなり稼がせてもらっているので甘い台という印象だ。
やめ時が分かりにくくなったことや天井がなくなったことでハイエナがあまりよりつかなくなったのもプラス評価。
特筆すべきは、何日も連続で据え置き状態の推定設定1の台で何度も4000枚オーバーを記録するなど、低設定でも引き次第でどうにかなる仕様だ。
いつ止めてもOKなことと併せて、遊び打ち・未練打ちにはピッタリの台といえるだろう。
私の行きつけのホールではバラに1台だけ設置されている状態なので、設定はあまり期待できないが、今後も打てる機会があれば積極的に触りたい。
アオハル♪操 A-LIVE:魅力溢れる抱き合わせ台
設定 | BB確率 | RB確率 | ボーナス合算 | 出玉率(完全攻略) |
---|---|---|---|---|
1 | 1/286.1 | 1/419.6 | 1/169.9 | 98.0%(100.1%) |
2 | 1/280.4 | 1/413.3 | 1/166.8 | 99.0%(101.0%) |
3 | 1/274.8 | 1/406.0 | 1/163.6 | 100.3%(102.3%) |
4 | 1/264.1 | 1/391.5 | 1/157.5 | 102.1%(104.2%) |
5 | 1/254.6 | 1/379.0 | 1/152.1 | 104.0%(106.3%) |
6 | 1/241.1 | 1/359.2 | 1/144.1 | 106.6%(109.0%) |
ガメラ2に関しては前作の評価が高かったので最初から期待していたが、アオハル♪操 A-LIVEに関しては、打つ前の評価は正直高いとはいえなかった。
ネットの評判も芳しくなく、抱き合わせ台なのでどうせ適当に作ってるんだろうなと個人的にも思っていたのだが、これが意外にも面白い台だった。
小役→CZ→ボーナスという流れなので、CZがやれなければどうしてもイライラしてしまうのは仕方ないが、CZをスムーズに突破して、出玉感のあるビッグ連を経験した後は評価が一変。
大都の売りである音楽の素晴らしさも相まって今ではお気に入りの一台になっている。
通常時もほのぼのとした雰囲気で淡々と回せるし、先チャンスモードのシステムも良い感じ。
設定推測のポイントも面白いので、高設定探しも楽しそうではあるが、こちらもガメラ2同様島単位で導入する店は少ないので設定はあまり期待できないのが残念だ。
疑似ノーマルタイプの可能性と今後の展望
両台ともに細かい不満点はもちろんあるが、総体としての評価は個人的にかなり高い。
なにより、現状ジャグラー一強状態なので、多くの販売数が見込めない中でもこのような台を開発してくれたメーカーに感謝したい。
糞みたいな規制でがんじがらめの中でよくこれだけの機械を作れたなと感心する。
ただ、欲をいえば、もう少しビッグの獲得枚数が少なくていいので(300枚~400枚)当たりやすくしてくれたり、多彩なリーチ目を搭載し、ボーナス察知後は速やかにボーナスが揃えられるような、より純粋なノーマルタイプに近い台があればいいなと思う。
現在、私はジャグラー系をメインに立ち回っているが、それはけっして面白いからではない。
ただ勝てるから打っているだけで、他の純粋なノーマルタイプや疑似ノーマルタイプに設定が入るなら進んでジャグラーを触ることは絶対にない。
しかし、ノーマルタイプの雄であるユニバが現在死に体状態なので、面白い純粋ノーマルタイプは期待できないだろう。
7号機になり、ノーマルタイプの獲得枚数が増えるなどの緩和を期待したいところだが、ここで一つ大きな障壁がある。
規則改正に重要な役割を果たす日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)の理事長が、ノーマルタイプの中で圧倒的なシェアを誇っている北電子の社長なのだ。
つまり、現状維持が最も利益になる立場の人物が規制緩和の鍵を握っているという皮肉な状況なのである。
となれば、頼りになるのはやはり疑似ノーマルタイプだ。
サミーや大都、山佐、平和あたりに頑張って面白い台を作ってもらって、ぜひ北電子の牙城を崩してもらいたい。
そして、できるならしょうもない三共系の台に洗脳されているスロッターたちに本当のパチスロの面白さを教えてあげてほしい。