現在、ホールのノーマルタイプスロットはジャグラーが約8割で残りの2割をアクロス系とその他が分け合っている状況ではないだろうか。
前々から書いている事だが、私はジャグラーがあまり好きではない。
にも関わらず稼働が一番多いのはホールの扱いが良く設定状況が良い=勝ちやすいから。もしジャグラーの設定状況が悪いならあんな面白みのない台なんて触りたくもない。私と同意見の人は非常に多いと思う。
4号機のリプレイハズシの楽しさを考慮しないなら、5号機のハナビやバーサスは個人的には4号機の頃よりも面白く作られていると思うし、先日初めて打ったアレックスなんかもよくできている。
アクロス系以外の液晶付きノーマルでもA偽物語なんかは非常に面白い。
ただ、今挙げた機種はジャグラーと違って簡単な目押し(易しめのビタや2コマ目押し)が必要なので目押しが全くできない人には敷居が高いかもしれない。
目押しが苦手な人におすすめのニューパルサーSP2
そんな人に私がおすすめしたいのが今回紹介するニューパルサーSP2だ。
SP2の前作であるニューパルサーDXは割が高くて勝ちやすく、絵柄も丸みを帯びた可愛いデザインで好きだった。
SP2は高設定域の割(設定5:105.1%、設定6:108.9%)が下げられたので最初の内は触る気もしなかったのだが、いざ打ってみると本当によくできている台だと感心したものだ。
一番面白いと思ったのは演出モードに新たに追加されたドットモード(演出モードはノーマル、フラッシュ、ドットの3種類)。
キングパルサーを思わせる可愛いドットカエルの動きとリール演出の絡みが最高に素晴らしい。
完全告知のフラッシュモードも、何かいつもと違う違和感が発生すればボーナスチャンスという仕組みなので、その違和感を探すのが意外に楽しい。
ニューパルサーの思い出
私は今回ニューパルサーSP2を偉そうにすすめているが、実は4号機の頃ニューパルをほとんど打っていない。
私がスロットを始めたのは花火やアステカなどがあった時代だが、多分その頃にはもうニューパルもあったと思う(おそらくニューパルサーR)。
私たちの周りでは、まずはジャグラーで練習して、ある程度目押しができるようになればその他のAタイプに移るのが常識だった。当時ジャグラーを打つ事自体が恥ずかしい事だったのだ(4号機の終わり頃はそういう考え方はなかったが)。
私は皆とは少し異なり、初めて打ったのは裏物のリズムボーイズでその後花火を打つようになった。花火を打つのが本当に楽しくて、実機を買ってまで家で練習したものだ。
私の行きつけのホールでは花火が半島設置されていたのだが、後ろにはニューパルが一島設置されていていつも年配の方で大盛況だった。とても人気のある台だったのだ。
何年か後に知った事だが、ニューパルは最終的に22万台を売り上げて北斗(62万台)が記録を塗り替えるまでは年間売上No.1だったようだ。
私も何度かニューパルを打ってみたが、当時はあまり面白いとは思えなかった。
理由は、花火からスロットを覚えたのでニューパルのリーチ目が肌に合わなかった事(ビッグ絵柄一直線がリーチ目ではない等)とリプレイハズシが異常に難しいにも関わらずあまり効果がなかった(+10~20枚くらい)から。
特にリプレイハズシは今の台のように大きくて透過性のある絵柄ではなかったので非常に見にくい上、右中と押してリプレイがテンパイしたらテンパイラインにベルをビタ押しというシビアなものだった。さらに左リールにベルは5個あったが、その内の何個かはNGだったような。難易度で言えば今人気のディスクアップの3倍くらいは難しいだろう。
ニューパルは小役減算値を利用した設定判別が可能(設定1~4は100、設定5が103、設定6が106)だったのとフル攻略時の割が高かった(設定6で約117%)ので一部のプロはいたが、基本は年配の方の憩いの場になっていた。
年配の方で多かったのが、目押しは全くできないけれどリーチ目はしっかり覚えている人。ニューパルのリーチ目は1000通りを超えているのに凄いなと感心したものだ。
おばあさんに目押しを頼まれて席まで行くと、(絶対こんなん入ってないやろ・・・)と思うような出目なのに、ボーナス絵柄を狙ってみると(入っとんかい!)なんて事がしばしばあった。
今のように礼儀がなっていない爺婆と違い、昔のおじいさんやおばあさんは目押しをしてあげるとかなりの確率でお礼をくれた。
初めのビッグ(レギュラーでもくれる人もいた)1回でジュース一本、それからは揃えてあげる度にくれる人、何回かに1回くれる人、欲しい時はいつでも言ってくれと言う人等、様々だったが、今のように揃えてもらって当たり前と思っている人は非常に少なかったと思う。
ちなみに今までで目押しをしてあげて一番お礼が高価だったのは約1000円分のお昼ご飯。
台は大花火だったが、常連の反社の人が保険ハズシを2回ミスって残り25回くらいでテローン。リールは回転中で右中と押した状態で泣きついてきた。バービタで外してあげるととても喜び、お礼にお昼ご飯を奢ってくれたというわけだ。ハズシをミスっていたら350枚くらい、きっちりできれば600枚くらいと250枚も差があるので1000円くらいなら安いものだが。
でも今は頼まれても絶対に目押しを断るようにしている。なぜなら私はお礼もできない人間に腹が立ってしまう器が小さな人間だから。やってもらって当たり前の顔を見るといらいらしてしまうのだ。
閑話休題、話をカエルに戻そう。
まとめると、昔のニューパルは若者には微妙だったが、年配の方に非常に人気があり、ジャグラーなんかよりもたくさん設置されていたという事だ。
ニューパルSP2の魅力
昔話が非常に長くなってしまったので簡単に私が感じたニューパルSP2の魅力について書いてみる。
まずは上でも書いたが、ドットモードというキングパルサーを模した演出モードがある事。詳しく書こうとすればまた長くなってしまうので書かないが、ドット演出とリール演出の絡みが素晴らしいのだ。
次に適当押しでも小役をこぼさない事。ニューパルSP2は完全適当押しでも小役を一切こぼさないのでいろいろなリーチ目を見る事ができる。
昔はあまり肌に合わなかったニューパルのリーチ目も慣れてくれば美しいと感じるようになった。
7とカエルの定番のリーチ目も悪くない。
チェリー重複目もジャグラーより好きだ。
演出によっては右ゲチェナ狙いなんかも面白い。
あとは設定判別要素が豊富だったり、設定変更のヒントになる演出があるのもプラスポイント。
その他、山佐全般に言える事だが音楽ももちろん素晴らしい。
ニューパルSP2は台の完成度としてはジャグラーなんかよりも数段面白く、適当押しでもチェリーすら取りこぼさないので初心者には非常におすすめ。フラッシュモードなら完全告知なのもGood。
それなのにホールは相変わらずのジャグラー推しでニューパルは多くても3台くらい。ホールが力を入れないので設定状況が悪く、ニューパルが好きな客も負けすぎて離れてしまい稼働がなくなっているのが現状。
ジャグラーを撤去しろとは言わないが、ホールは昔のようにニューパルに力を入れてはもらえないだろうか。
ホール側が多めに入れて甘く使い客を教育していけば必ずニューパルの面白さを分かってもらえるはずだ。昔の硬派なニューパルなら難しいかもしれないが、今のぬるい客層に寄せて作られたSP2なら大丈夫だと思う。
私は4号機からさまざまなノーマルタイプを打ってきた。
私にとってノーマルタイプの一番の魅力はリプレイハズシだったが、それは規制によってなくなってしまった。リプレイハズシこそ遊技であるスロットの集大成だったと思う。
リプレイハズシの禁止や獲得枚数の制限、リール制御の制限等によって面白かったノーマルタイプはなくなり、生き残ったのはスロットとしての魅力は皆無に近いジャグラーだけ。
今からスロットを始める人はある意味幸せかもしれない。
私がスロットを始めた頃は本当に面白いノーマルタイプがたくさんあった。目押しも上手くなればなるほど勝てるようになり、まるでゲームのレベル上げのような楽しさがあった。
それに比べて今ホールにあるノーマルタイプのほとんどは糞台だ。ジャグラーを筆頭にこんな糞台ばかりならはまり込む事もなく、1~2度打って面白くないとやめてしまうと思う。そうすれば今後無駄にパチンコ店でお金を使う事もない。スロットで人生が狂う事もないだろう。
6号機になり1回の獲得枚数が少なくなって短期出玉規制もさらに厳しくなる。ノーマルタイプは規制の抜け穴をつくのがほぼ不可能なので壊滅的な状況になるのが目に見えている。
4号機から長々と打ってきたが、いよいよ引退する時がきたのかもしれない。