パチンコ店のタバコ対策にマスクを使っている人はこまめな交換を

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原則屋内禁煙が義務付けられた「改正健康増進法」が成立し、2020年4月1日より全面施行される事が確定したのは記憶に新しいと思う。

改正健康増進法の施行期日

図:受動喫煙対策-厚生労働省

タバコの煙には、約4000種類の化学物質、約200種類の有害物質、60種類以上の発がん物質が含まれており、厚生労働省によると年間15000人以上が受動喫煙によって癌や心疾患、脳卒中で亡くなっている。

パチンコ・パチスロ好きでタバコを吸わない人間は、この法律の施行を今か今かと心待ちにしていた事だろう。

だが、施行まで数か月期間がある為、現状のパチンコ店は今までと何ら変わらないタバコの煙渦巻く不健康な空間だ・・・。



では本題に移るが、タバコの煙が放つ悪臭や発がん性物質対策としてマスクを利用している人は多いのではないだろうか。

私もパチンコ店に行く時は世間体の問題やタバコの臭い対策の為に必ずマスクを着用している。

傾向的にアクロス等のリーチ目ノーマルタイプや液晶ノーマルタイプを打っている人はアイコスやプルームテック等の加熱式タバコを吸っている事が多いのでまだ我慢できるのだが、問題はジャグラーの島。

あそこは意識の低い若者やそれ以下の存在の爺婆が溢れているので仕方ないといえばそれまでなのだが・・・。

灰皿を詰まらせたり、灰皿を使わずに床に灰を落としたり、ほとんど吸いもしないのに火だけ着けて副流煙モクモクは当たり前。常軌を逸した行動に(こいつら自分の家でもこんな感じなのか)と開いた口が塞がらなくなる。

私の行きつけの店だけなのかもしれないが、とにかくこんな地獄の有り様なのでマスクは欠かせないのだが、マスクには多少の臭い軽減効果くらいしか期待できないのは知っているだろうか。

通常のマスクでは、煙に含まれる発がん性物質等の有害成分が主流煙より多く含まれている副流煙(喫煙者が吐き出した「呼出煙」、たばこから立ち上る「副流煙」が混ざった煙)が体内に入るのを防ぐ事はできない。

本気で防ごうと思えば、米国労働安全衛生研究所(NIOSH)の規格に合格した「N95マスク」かそれに準じる日本の国家検定品「DS2」クラスのマスクが必要になる。

防塵マスク「DS2」

上の画像は3Mさんの「DS2」クラスのものだが、これくらいガチなマスクでないと無理なのだ。これらは歯科のデンチャー等をつくる歯科技工士さんや工場で粉末を扱う人が粉塵対策に使うような代物なので、一般人が日常で着用している光景はあまり見たことはない。

マスクの形状を見ればタバコの煙を防ぐ事がどれだけ難しいか分かってもらえると思う。何度か使った事はあるが着け心地も当然よいとはいえず、息苦しい上に蒸れる。これを毎日のように着用して仕事をしている人たちには尊敬の念を禁じえない。

普通の見た目のマスクでも「PM2.5やタバコの煙を90%以上吸着」などと謳っているものもあるが、あれはフィルターの効果を説明しているのであって、実際に人間が着用した場合の効果を示しているものではない。

フィルターが高性能なのは当然として、マスクと肌部分がぴったりフィットした形状こそが重要なのだ。いくらフィルターが優秀でもマスクと肌の間から入り込んでくるのでは意味がない。



以上の理由で通常のマスクでは喫煙者の副流煙を防ぐ事はできないのだが、臭いに関してはある程度の効果はあると思う。通常のマスクではなく活性炭の入ったものを使えばさらに”臭い”の軽減効果はあるだろう(有害物質を吸着できるなどと説明しているサイトもあるが、マスクに使われているような薄い活性炭フィルターでは0に近いくらいしか効果は期待できない)。

私と同じように臭い対策でマスクを着けている人は多いと思うが、長時間パチンコ店でマスクを着用する場合はこまめに新しいものと交換する事をおすすめする。

その理由は「三次喫煙」。

三次喫煙とは、壁紙や布、家具などにしみ込んだ残留タバコ成分(タバコに含まれている有害成分)によって健康被害を受けること。

残留タバコ成分が空気中の化学物質と反応して揮発し、ニトロソアミン等の発がん性物質をつくったという研究結果も近年発表されている(2010年米国ローレンス・バークレー国立研究所発表)。

三次喫煙は換気による排除が難しい事や、空気中の物質と反応して発がん性物質に変化した有害物質の影響が長期にわたって持続する事から、受動喫煙(二次喫煙)以上に毒性が高いという報告も。

遊技中、残留タバコ成分は当然マスクの表面に付着するが、同じものを着け続けていると危険な有害物質を何時間も吸入し続けている事になる。何日も同じマスクを着けるなどは論外だ。

マスクをしたまま朝から晩まで遊技して家に帰ったら喉がイガイガしたり声がかれてしまった経験はないだろうか。そうなった理由のひとつは長時間人体へ有害な化学物質が暴露され続けた事だろう。

私も以前はパチンコ店に行く度喉に不調が起こっていたが、2~3時間に1度マスクを取り換えるようになってからややマシになった。

タバコの三次喫煙を少しでも軽減したい人はマスク(普通のマスクではどうせ有害物質は防げないので安物で十分)を短いスパンで交換する事をおすすめする。

まあこんな苦労をするのもあと数か月の事だが、つくづくパチンコ店というのは健康によくない施設だなと思う。

タバコが嫌ならパチンコ店に行かなければいいとかいう馬鹿もいるが、別にパチンコ店が喫煙を推奨しているわけでも、喫煙者が非喫煙者に対して副流煙を浴びせかける権利があるわけでもない。

長年苦渋の思いをしてきたパチンコ・パチスロ好きの非喫煙者がようやくストレスから解放されると思うと胸のすく思いだ。

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