ここ数年、1か月に1度はパチンコ店に行っていた私だが、イベント時に店に行っても打ちたい台は引き子や打ち子を多数動員する軍団に取られて打てないのが心底嫌になり、しばらくパチンコから離れていた時期があった。
そんな折、たまたま寄ったコンビニで「別冊パチスロパニック7」を見かけ、そこに奥田渓竜先生の『パチスロ115番街』が連載されているのを発見して少々驚いた。
パチスロ115番街との出会い
パチスロ115番街は、ちょうど私がパチンコやパチスロに触りだした頃に連載されていた漫画だ。115番街という架空の街で、複雑な背景を持つ人々のパチスロを通した人間模様を描いた作品である。
パチンコ店とパチスロ店と風俗店がひしめくその街は、出玉の多さとレベルの高いスロッターが集まる場所として名を馳せていた。そしてその噂がさらにレベルを引き上げているのだった……
――パチスロ115番街1巻より
奥田先生の味のある絵とストーリーが絶妙に調和していて、別にパチンコ漫画のジャンルにしなくてもよかったのではないかと思うくらいの良作だ(奥田先生のパチンコ以外の漫画が読みたいと思うのは私だけではないだろう)。
漫画の舞台である4号機初期〜中期の頃のパチンコ店は、今のように誰にでも開かれたクリーンなエンターテイメント施設ではなかった。店で喧嘩になって外で殴り合うことなども普通にあったし、「賭博場」という感じを前面に出していた気がする。
そんな混沌とした懐かしい感じがパチスロ115番街には詰まっているのだ。
電子書籍を求めて大失敗した話
パチスロ115番街という名前を見て一気に懐かしさがこみ上げた私は、家に帰ってすぐさま全巻購入しようとした。ところが当時(2018年)、いくら探しても電子書籍はおろか紙ベースですら全巻購入できるところがなかった。
ようやく見つけたのが、hontoにあった「【全1-30セット】パチスロ115番街」という商品。5巻を6分割して合計30セットという意味かと思い1620円で購入したのだが、これがとんでもない代物だった。

実際には2巻(壊し屋ケンちゃんのところ)の途中までしか収録されておらず、しかも通常の1ページ表示ではなく、タップするたびに1コマずつ進んでいくという驚愕のクソ仕様。画面の真ん中に小さく1コマだけ表示され、たまにバイブするのがさらに腹立たしかった。

2巻の途中までで1620円。せめて最後まで読めるなら5000円でも出すのに、続きは売ってすらいない。当時の私は怒りに任せて「ガイドワークスは電子書籍化を再開しろ」とブログに書き殴ったものだ。
そして現在、全巻購入可能に
あれから数年。ガイドワークスがついにパチスロ115番街の電子書籍化を本格的に再開してくれた。
2021年10月に1巻、2022年3月に2〜5巻が配信され、現在はAmazon Kindle、BOOK☆WALKER、楽天Koboなど主要な電子書籍ストアで全5巻を購入できる。価格は1巻550円から5巻693円で、全巻合計しても約3000円程度だ。
あのクソ高ビックリセット(2巻途中まで1620円、しかも1コマ表示)を掴まされた私からすると、隔世の感がある。同じ轍を踏む人がいなくなったのは本当に良かった。
おわりに
4号機時代の空気を知る世代にとって、パチスロ115番街は単なるパチスロ漫画ではなく、あの頃の記憶を呼び起こすタイムカプセルのような存在だ。
電子書籍を探し回ってクソを掴まされた私の失敗談も、今となっては笑い話である。当時は怒りに任せてかなり強い言葉を使ってしまったが、こうして全巻読めるようになった今、ガイドワークスには素直に感謝したい。
パチスロ115番街を未読の方、あるいは当時読んでいて懐かしさを感じる方は、ぜひこの機会に手に取ってみてほしい。


