私の立ち回りのメインはジャグラーシリーズだ。ただ、イベント日に狙い台を取れなかった時やたまの遊び打ちには、ユニバのノーマルタイプやシェイクあたりを触ることもある。
今、ユニバのノーマルタイプでホールがそこそこ力を入れているのは『スマスロ サンダーV』だろう。導入台数もそれなりに多い。
ただ、正直なところ個人的な評価は「稼げる台でもないし、面白さも可もなく不可もなく」。どうしても勝ちやすいジャグラーか、遊んで楽しいシェイクに座ってしまい、導入からそれなりに経つのにほとんど触れていなかった。
それでも何度か打つ機会があり、自分なりに設定推測の要諦をまとめられたので書いてみたいと思う。
エースがいない?サンダーVの設定判別は難しい

この台を何度か打って一番感じたのは設定判別の難しさだ。ジャグラーの「REGを見ろ」に相当する、単独で判別を支えるエースが存在しない。

サンダーVの通常営業はほぼ設定1だろう。ただしイベント時には設定2もそれなりに投入される。そこで問題になるのが「機械割100%程度の設定2か、104%程度で一応は勝てる設定5か」の判別だ。
各要素のZ値(判別力)を出してみた。BB前半のサンプルは8000G消化時にBB約29回 × 15G = 約520G。
| 順位 | 要素 | 区分 | 設定2 | 設定5 | Z値 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | BB中ベルB | BB前半 | 1/5.8 | 1/7.0 | 1.202 | ★参考 |
| 2 | BB中ベルC | BB前半 | 1/36.0 | 1/24.3 | 1.158 | ★参考 |
| 3 | ベル合算 | 通常時 | 1/12.6 | 1/11.9 | 1.033 | ★参考 |
| 4 | BB中リーチ目 | BB前半 | 1/10923 | 1/437 | 1.024 | ★参考 |
| 5 | スイカ合算 | 通常時 | 1/82.2 | 1/74.6 | 0.693 | △弱い |
| 6 | RB確率 | 通常時 | 1/394.8 | 1/344.9 | 0.445 | ×不能 |
※Z値は判別力の指標。Z > 2.0で統計的に有意(95%信頼度)。BB中ベルBは偶奇判別の要素だが、設定2(偶数)vs 設定5(奇数)の比較ではそのまま効く。
全てがZ≒1.0の「参考程度」で横並び。マイジャグVなら設定1 vs 6でREG単独のZ=2.085が仕事をしてくれるが、サンダーVにそんなエースはいない。
解析サイトの多くはRBをメインの判別要素として挙げているが、それは設定1 vs 6の最大レンジでの話だ。イベント日に現実的に問われる設定2 vs 5では、RBのZ値は0.445でほぼ機能しない。
ただし、全要素を合成すると話が変わる。
6要素を独立と仮定して合成した合成Z値は2.352。統計的に有意なラインを超える。実はマイジャグVの設定2 vs 4(同じ104%ライン判別)の合成Z=1.062より、サンダーVの方がむしろ判別力は上だ。
| G数 | サンダーV 設定2vs5 | マイジャグV 設定2vs4 |
|---|---|---|
| 3000G | 1.446(参考程度) | 0.650(判別困難) |
| 5000G | 1.855(やや可能) | 0.840(判別困難) |
| 8000G | 2.352(有意) | 1.062(参考程度) |
要素が弱くても数で勝負できる。ただし、それは6要素を全て正しい重みで掛け合わせた場合の話だ。BB中ベルCだけ見ている人のZ値は1.158。全部合成している人は2.352。倍以上の差がある。
ジャグラーなら「REGとブドウだけ見ろ」で済むので人間の直感でも戦える。しかし、サンダーVは6つの弱い武器を頭の中で合成するのは無理がある。こういう台はツールを使うのがおすすめだ。
ユニメモで通常時小役は自動カウントされる。手動で追うのはBB中のリーチ目と設定確定演出だけで済む。

BB回数が判別スピードを決める
もう一つ重要な構造がある。上位4要素のうち3つがBB前半の小役であり、判別力の寄与率はBB中3要素が68.4%、通常時3要素が31.6%だ。
当たり前だがBB前半のサンプルはBBを引かないと増えない。通常時の要素だけで戦おうとすると、12000G回しても合成Z値は1.6で統計的有意に届かない。
つまり、この台の判別精度は「何ゲーム回したか」ではなく「BBを何回引いたか」で決まる。BBの引きが悪い日は判別を諦める覚悟も必要だ。
確定演出とチェリーBの注意
数値判別の外では、RB終了画面のイッカククン(設定5以上濃厚)が最強の根拠になる。BB前半中のリーチ目(15枚役)も設定1・2で1/10923、設定5・6で1/437と約25倍の差があり、複数回出れば強い。
なおチェリーBは設定2(1/12.1)> 設定6(1/12.2)> 設定5(1/12.5)> 設定1(1/13.2)と、高低でも偶奇でもない並び方をしている。設定1の否定には使えるが、高低判別には向かない。
遊べる台であって稼げる台ではない
設定別の勝率と期待枚数をシミュレーションで出してみた。
設定別の期待枚数と勝率(8000G・300万回試行)
| 設定 | 機械割 | 期待差枚 | 期待収支 | 勝率 | σ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 99.6% | −103枚 | −2052円 | 46.6% | 1913枚 |
| 2 | 101.1% | +286枚 | +5713円 | 54.7% | 1934枚 |
| 5 | 104.1% | +1054枚 | +21079円 | 69.7% | 1957枚 |
| 6 | 107.2% | +1863枚 | +37262円 | 82.5% | 1986枚 |
※本記事で使用したボーナス確率・小役確率・機械割は全て公表値。機械割は適当打ちと完全技術介入の55%地点(標準的な打ち手を想定)。
設定1でほぼトントン(勝率46.6%)、設定2で100%超え。低設定の痛みが少ない代わりに、高設定のリターンも控えめだ。設定6でもマイジャグV設定5と同程度の機械割しかない。
注目すべきはσ(結果のブレ幅)の大きさだ。全設定で1900枚台。マイジャグVが1400〜1500枚台であることを考えると、相当荒い。
原因は雷神ループで、BB1回の払出にσ≒81枚の振れ幅がある。マイジャグのBBは毎回240枚固定だが、サンダーは約300枚で終わるか、約480枚になるか、600枚以上まで伸びるかがBBごとに変わる。

荒い104%とマイルドな104%では体感が違う
サンダーV設定5(104.1%)とマイジャグV設定4(104.2%)は機械割がほぼ同じだ。しかし体感は全く違う。
| サンダーV設定5 | マイジャグV設定4 | |
|---|---|---|
| 勝率 | 69.7% | 76.7% |
| −1000枚超の負け | 14.6% | 7.3% |
| −2000枚超の負け | 5.4% | 1.3% |
−1000枚超の負けが倍、−2000枚超は4倍。設定5を掴んでも30%は負ける台だ。
設定5の時給は約2100円。10時間粘って21000円を3割の負けリスクと引き換えに取りに行くかと言われると、少なくとも「稼ぐ台」として選ぶ理由にはならない。
結局、この台の収支構造は設定6を掴めるかどうかが全てであり、設定5以下は「遊んで少し浮いたらラッキー」くらいの温度感が合っている。
これは4段階設定の構造的な問題でもある。設定6の機械割を高くしすぎると設定5との差が目立って判別が容易になる。かといって設定5の機械割を上げて設定6に近づけると、今度は設定2との差が明白になってしまう。
結果的に設定6の機械割を抑え、設定5を103〜104%程度に収めるしかなくなる。そうなると稼ぎたい人は設定6だけを狙うことになり、その投入率の低さから「そもそも打たない」という結論に至る。ユニバのノーマルタイプは最近このパターンが多く、個人的には少し残念だ。

実践ケーススタディ:2481Gで設定5と判断した過程
先日、イベント日に打った際のユニメモデータを例に、実際の判断過程を振り返ってみる。
2481G時点のデータ

通常時の小役はこの段階ではノイズの範囲だ。ベルAは設定1に最も近く、ベルB(通常)は設定2が最も近い。2500G程度ではまだ何も言えない。
判断の軸はBB中の小役だった。
ステップ1:ベルCで高低判別。 12回(1/21.3)は設定5・6の理論値1/24.3を上回り、設定1・2の1/36.0からは大きく乖離。高設定寄り。
ステップ2:ベルBで偶奇判別。 38回(1/6.7)は奇数設定の理論値1/7.0(期待36.4回)に近く、偶数設定の1/5.8(期待44.0回)からは離れている。奇数寄り。
高設定寄り × 奇数寄り = 設定5。
自作の設定推測ツールにかけると(イベント日想定の事前確率: 設定1:25%、設定2:45%、設定5:20%、設定6:10%)、設定5以上の事後確率は約50.8%。うち設定5が48.1%で最も高い。2500Gという序盤としてはまずまず高設定寄りだが、確信には程遠い。設定1・2の可能性もまだ49%残っている。
この時点で差枚は約+2000枚。設定不確定のまま粘った場合の期待時給は約1300円。2000枚の確定利益を選んでここで撤退した。
答え合わせ

翌日、データを確認した。私がやめた後、+1800枚ラインで数千G揉まれた後に1000枚ほどの塊を出し、最終的には+3000枚程度で閉店していた。やめた後のゲーム数は5000G以上。
5000Gで+1000枚は設定5の期待値(約660枚)と概ね整合する。仮に設定5だったとして、あの場面で残って5000G追加した場合の期待収支は、設定不確定(確信度50%)を加味すると約8000円。6時間粘って8000円。
2000枚を確定させて撤退し、残りの時間を別のことに使った判断に後悔はない。
さいごに:サンダーVと私
私がよく打ったサンダーシリーズはリボルトとライトニングだ。特にリボルトはよくできた完成度の高い台だった。
ただ、一番記憶に残っているのはやっぱり4号機の初代サンダーV。
私がホールでパチスロを打つようになった頃には、初代はすでに多くの店から姿を消していた。アルゼの台では大好きな花火がメインで、バーサスですらゲームセンターに追いやられている時代だ。
それでも初代サンダーを打ちたくて方々を探し回り、1件だけ、今にも潰れそうなホールに1台だけ置いてあるのを見つけた。なんともいえないかっこよさと風格を感じたものだ。
喜び勇んで座ったのだが、花火でリプレイ外し(2コマ目押しでOK)ができるようになったばかりのクソガキには荷が重すぎた。リーチ目は花火と法則が違って分からないし、リプレイ外しは「ベルをテンパイラインにビタ押し」。今と違って絵柄も小さいし透過性もない。なんて難しい台なんだと思った。
結局、完璧には打てないまま撤去されてしまい、ほろ苦い思い出として残った。あの日から私の中ではサンダーは「玄人好みの台」とインプットされた。
あの頃は打ち方が玄人向けだった。ビタ押しができなければ話にならない台だった。スマスロ版は打ち方こそイージーだが、代わりに設定判別が玄人向けになっている。エースなき6要素を全て拾って合成しなければ戦えない構造。形は変わったが、簡単には攻略させてくれない。サンダーは相変わらずだなと少し笑ってしまった。




