その日は強めのイベント日。第一候補はスマスロカバネリ、第二候補はマイジャグラー5、それも無理なら他のジャグラーシリーズの狙い台。
しかし抽選番号は約400人中360番。最近は引きが弱くクソ番ばかりで厳しい日が続いている…。
案の定、狙い台は全て埋まっていた。空いているのはBT機くらい。その中で履歴がマシそうだったのがスマスロハナビ(Lハナビ)だった。
新ハナビとスマスロハナビの違い|機械割と立ち回り

前作の新ハナビは高ベースかつ、技術介入が完璧なら設定1でも機械割102%という甘い台だった。
しかし以前バーサスの記事でも書いた通り、私はREG中に毎ゲーム同じ手順を強要されるのが試されているようで癪に障り、好んで打つことはなかった。
一方、スマスロハナビの設定1は技術介入込みで機械割100.2%。設定1上等で気軽に座れる台ではない。
これに関してはいろいろな意見があるだろうが、私は店が抜きたいときにはしっかり抜ける仕様であるべきだと思っているので特に問題視していない。高設定を狙い、設定が入らない環境なら打たなければいいだけの話だ。
そんなこともあり、基本的にスマスロハナビを狙うのは高設定が入る可能性のあるイベント日に限られる。ただ、現在メインで通っているホールは最近店長が変わり、マイナー機種に高設定を入れなくなってしまった。
結果、打つ機会は少なくなり、導入からしばらく経つが、打つのはこれでまだ2回目だ。
スマスロハナビの打感は良くも悪くもいつものハナビ
打感としては、良くも悪くもいつものハナビという印象。新ハナビと比べると、意外性のある当たり方をしたり、REG濃厚と思わせる形からBIGが出たりと、その辺りは改善されていると感じた。
4号機のハナビとよく似ているという人もいるが、「七・チェリー・バー」がない配列はやはり別物だなと感じる。ただ、遅れが聞こえにくくなった気がするのは4号機ハナビっぽかった。
4号機時代、友人たちと毎日のようにハナビを打っていた頃のことを思い出す。「全然遅れが聞こえない」というやつがいたり、「遅れには大・中・小の3種類ある」と主張するやつがいたり。
私は、何種類かはあるものの、隣の台でも分かるくらいの大遅れも極小遅れも信頼度に差はない派だった。実際には当時の台のつくりが雑だったのと、ウェイトの関係で微妙な違いが出ていただけなのだろう。
気が済むまで打った後は、たくさん勝ったやつのおごりで居酒屋へ。
通常時や遅れ時の面白い狙いどころ、目押しの上達方法、店の設定の入れ方――そんなハナビ談義をするのが楽しくて仕方なかった。何時間語り合っても足りないくらいだった。
今はそこまでの情熱はないが、面白い打ち方を考えたり、数字を見比べながら効率的な設定判別方法を探ったりするのは昔と変わらない。

スマスロハナビの設定判別|比率判別と独立合成の精度比較

RTリプレイ
実践内容の前に、ハナビの設定判別について書いておきたい。
ハナビの設定推測・判別といえば、通常時の小役確率やボーナス中の小役、花火GAME中のハズレなどを参考にする人が多いだろう。ガチ勢ならガリぞう氏が提唱した「リプレイ比率判別」(花火GAME中のRTリプレイを数えてハズレとの比率で判別する方法)を取り入れている人もいるはずだ。
この比率判別の着眼点は良い。花火GAME中はハズレだけでなくRTリプレイにも設定差があり、高設定ほどハズレが多くRTリプレイが少なくなる。2つの設定差を同時に使えば判別力が上がるという発想自体は正しい。
ただ、「比率にする」という処理に改善の余地がある。
RTリプレイ÷ハズレの割り算をすると、2つの情報が1つの数字に圧縮される。この過程で情報の一部が失われるのだ。
花火GAME 400G消化時(設定1 vs 設定5)の判別力を、実際のRT中の相関構造を反映したシミュレーションで比較すると以下の通りだ。
| 方法 | 実効Z値 | ハズレ単独との差 | 検出率(偽陽性5%時) |
|---|---|---|---|
| ハズレ確率のみ | 1.538 | 基準 | 42.2% |
| 比率判別 | 1.925 | +25% | 61.5% |
| 独立合成 | 2.041 | +33% | 65.6% |
ざっくり言えば、比率判別より、ハズレとRTリプレイを別々に評価してから合成する方法(以下「独立合成」)の方が数%程度判別精度が高い。
比率判別はハズレ単独より確かに精度が上がる(+25%)。ここはガリぞう氏の言う通りだ。
しかし、ハズレ確率とRTリプレイ確率をそれぞれ別々に評価してから合成すれば+33%まで伸びる。ハズレもRTリプレイもどちらも多い場合と、どちらも少ない場合では比率が同じになり得るが、設定判別上の意味は全く異なる。比率にすると、この違いが見えなくなるのだ。
なお、RT中のハズレとリプレイは完全に独立した変数ではなく、負の相関(r≒-0.46)がある。高設定ほど小役(風鈴等)とハズレの当選確率が上がるため、RTリプレイが割を食って確率が下がる構造になっているからだ。
上記の数値はこの相関を織り込んだシミュレーション結果なので、「完全独立」を仮定した理論値よりは控えめだが、独立合成が比率判別より優れているという結論は変わらない。
以前のジャグラーの記事では「合算REGをわざわざ分割しても判別力は上がらない」と書いたが、今回は「別々のものをわざわざ1つにまとめると判別力が落ちる」という話。方向は逆だが、「情報は余計な加工をせず、そのまま独立に使え」という原則は同じだ。
約2000G時点の実践データと設定判別結果
では、肝心の実践内容だが、300枚ほど投資したところでBIGが当たり、そこからはBIG主体でどんどん出玉が増えていった。

約2000g時点 ユニメモデータ
| 項目 | 数値 | 参考:設定1 |
|---|---|---|
| 総回転数 | 2106G | — |
| BB | 12回(1/175.5) | 1/297.9 |
| RB | 2回(1/1053) | 1/394.8 |
| 風鈴A | 182回(1/11.6) | 1/12.9 |
| 風鈴B | 52回(1/40.5) | 1/38.4 |
| チェリーA2 | 107回(1/19.7) | 1/21.0 |
| BB中斜め風鈴 | 25回(1/9.5) | 1/10.0 |
| HCはずれ | 32回(1/5.9) | 1/4.7 |
| HGはずれ | 34回(1/6.3) | 1/6.4 |
| HC通常リプレイ | 61回(1/3.1) | 1/3.2 |
| HG RTリプレイ | 110回(1/2.0) | 1/1.9 |
BIG確率だけが1/175.5とどの設定の理論値よりも良い。
しかしREGは2回と極端に少なく、花火チャレンジ・花火GAMEともにハズレが設定1以下の水準。HC通常リプレイもHG RTリプレイも設定1付近。風鈴Aの1/11.6だけが設定5~6水準で光っている。
出玉はあるが、判別要素的には手放しで喜べない内容だ。
ツール判定結果(10要素・独立合成)
| 設定 | 確率 |
|---|---|
| 設定1 | 73.1% |
| 設定2 | 17.7% |
| 設定5 | 8.3% |
| 設定6 | 0.9% |
| 高設定(5+6) | 9.2% |
設定1が73.1%で最有力。高設定期待度はわずか9.2%。BIGの上振れで出玉はあるが、それ以外のほぼ全ての要素が設定1方向を指している。
この時点で「厳しいな」とは感じていたが、やめようと思うたびにBIGが当たるのでデータをじっくり確認することもなく続行してしまった。
その後もBIG連打、しかしデータは改善せず
その後もBIG主体で出玉を積み上げる展開が続く。設定6をはるかに上回るBIG確率で引き続け、約5000G回した時点で差枚は約3000枚弱のプラス。
しかし、判別要素は一向に改善しない。
最終データ(約5000G)と設定判別結果

約5000g時点 ユニメモデータ
| 項目 | 数値 | 参考:設定1 |
|---|---|---|
| 総回転数 | 5051G | — |
| BB | 29回(1/174.2) | 1/297.9 |
| RB | 10回(1/505.1) | 1/394.8 |
| 風鈴A | 396回(1/12.8) | 1/12.9 |
| 風鈴B | 121回(1/41.7) | 1/38.4 |
| チェリーA2 | 235回(1/21.5) | 1/21.0 |
| BB中斜め風鈴 | 50回(1/11.6) | 1/10.0 |
| HCはずれ | 92回(1/4.9) | 1/4.7 |
| HGはずれ | 69回(1/6.6) | 1/6.4 |
| HC通常リプレイ | 146回(1/3.1) | 1/3.2 |
| HG RTリプレイ | 235回(1/1.9) | 1/1.9 |
BIGだけが1/174.2と異常に好調。それ以外は軒並み設定1水準かそれ以下。REGに至っては1/505.1と設定1の理論値1/394.8よりはるかに悪い。
最終ツール判定結果(10要素)
| 設定 | 確率 |
|---|---|
| 設定1 | 99.84% |
| 設定2 | 0.01% |
| 設定5 | 0.16% |
| 設定6 | 0.00% |
設定1:99.84%。
ここまではっきり出ると清々しい。BIGの上振れだけで3000枚弱を稼いだ、典型的な「出玉はあるが低設定」の台だった。
途中からさすがに低設定だろうとは思っていたが、序盤同様やめようと思うたびにBIGが当たるのでデータを確認する間もなく打ち続けてしまった。
結局、ピークから300枚ほど減らした後、最終データを見て納得の撤退となった。

翌日の答え合わせ
翌日、別の台を狙いにホールへ行ったついでに前日の台を確認した。
私がやめた後1000枚ほど減らして閉店していた。
スマスロハナビは新ハナビよりも出玉の波が荒いので設定1でも出る時は出る。しかし5000Gも回せば判別要素は正直に設定を語ってくれる。

今回使用した設定判別ツールについて
今回の判定に使ったのは、自分の立ち回り用に作ったベイズ推定ツールだ。
RT中のハズレとリプレイを比率ではなく独立に評価して合成する方式を採用している。相関を考慮したシミュレーションでも比率判別より高い判別力が出ることは確認済みだ。
今のところ公開の予定はないが、設定判別ツールを制作している方は「RT中の要素を比率ではなく独立に評価する」というアプローチを参考にしてほしい。
まとめ
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こんな強いイベント日でも、私の台をはじめ合計4台あるスマスロハナビには全台設定が入っていなさそうだった。本当に厳しい設定状況になったものだと思う…。
スマスロハナビは新ハナビと違い、設定1で座り続けられる台ではない。だからこそ、早い段階でどれだけ正確に設定を見極められるかが収支を左右する。
今回の実践でいえば、約2000G時点のツール判定で高設定期待度は9.2%。冷静にデータを見ていれば、もう少し早く撤退できたかもしれない。ボーナスが当たり続けるとなかなか席を立てないものだが、出玉と設定は別の話だ。
基本的に合算REGとブドウでシンプルに判別するジャグラーと違い、ハナビは判別要素が多い。だからこそ、それらを正しく掛け合わせるツールの価値がある。
そして「正しく掛け合わせる」方法として、比率判別よりも独立合成の方が優れているというのが、今回言いたかったことだ。
それにしても、ハナビは昔も今も、いろいろなことを考えさせてくれる楽しい台だ。
1990年代。完全に自分の力でパチスロの攻略法を開発した男がいた。
誰も知らなかった「永久連チャン」の全貌を奥田渓竜がノンフィクションで描く。







