マイジャグラーでチェリーを数えている人を、たまに見かける。
チェリー狙いは基本なので、それを数えるだけで判別材料が増えるなら、これほど得な話はない。
ちなみに、私自身はチェリーを数えていない。マイジャグを終日打つのは設定5か6と踏んだ時だけで、設定4は展開次第で降りる。その打ち方だと、知りたいのは設定4と設定5の境目になる。そしてチェリーは、その境目については何も教えてくれない。理由は後で書く。
ただ、設定4以上と分かれば喜んで終日打つ、という人はいる。むしろそちらの方が多いだろう。その立ち回りならチェリーは効く。
この記事はそういう人に向けたものになる。検証したところ、使えることは使える。ただし条件が3つあって、どれかを外すと判別を壊す。順に見ていく。
数えるのは「非重複チェリー」

非重複チェリー
マイジャグのチェリーには、ボーナスと一緒に成立したチェリー(重複チェリー)と、チェリーだけで成立したチェリー(非重複チェリー)がある。
数えるのは非重複チェリーの方。ペカったゲームのチェリーは数えない。
なぜ重複を外すのか。理由は2つある。
ひとつは、重複ぶんの情報がすでにボーナス回数に入っているから。チェリー重複REGは合算REGの一部だ。それをチェリー側でも数えると、同じ情報を二度使うことになる。
もうひとつは、照合できる表があるのが非重複の方だから。各所で公表されているチェリー確率は非重複チェリーの値で、全部のチェリーを合計した確率は基本載っていない。
マイジャグのチェリーで分かるのは3段階だけ
マイジャグラーVの非重複チェリー確率はメーカーから公表されていない。各所で使われているのは有名ライター・ガリぞう氏の調査値で、この記事もそれを使う。
| 設定 | 非重複チェリー |
|---|---|
| 設定1 | 1/38.10 |
| 設定2 | 1/38.10 |
| 設定3 | 1/36.82 |
| 設定4 | 1/35.62 |
| 設定5 | 1/35.62 |
| 設定6 | 1/35.62 |
※ガリぞう氏独自調査値より
設定1と2が同じ値、設定4と5と6も同じ値。 違う数字は3つしかない。
だからチェリーが答えられる問いはひとつだけになる。
この台は<設定1・2>か、<設定3>か、<設定4・5・6>か。
設定4と設定6は似ているのではなく、完全に同じ値だ。何万ゲーム回しても区別できない。冒頭で「私には効かない」と書いたのはこれが理由で、設定4と5の境目を見たい人にとって、チェリーの情報量はゼロになる。
チェリーは設定6を探す道具ではない。設定4以上かどうかを見る道具なのだ。
チェリーの設定判別力
終日8000G回したときの期待回数に直すと分かりやすい。
| 設定 | 8000Gの期待回数 |
|---|---|
| 設定1・2 | 210回 |
| 設定3 | 217回 |
| 設定4・5・6 | 225回 |
一日回して、上と下の差は15回。これがチェリーの持っている情報の全部だ。
判別力を数値化したZ値で他の要素と並べてみる。Z値は2つの設定をどれだけ区別しやすいかを表す指標で、大きいほど判別しやすい。
- Z > 2.0:統計的に有意(95%の信頼度で区別できる)
- Z > 1.5:やや区別できるが確信は持てない
- Z > 1.0:参考程度
- Z < 1.0:ほぼ判別不能
8000G時点のZ値
| 要素 | 設定1vs6 | 設定2vs4 |
|---|---|---|
| 合算REG | 2.088 | 0.985 |
| ブドウ | 1.202 | 0.347 |
| BIG | 0.702 | 0.250 |
| 非重複チェリー | 0.712 | 0.712 |
チェリーは単体では0.712。「ほぼ判別不能」の帯にいて、一人で何かを決められる要素ではない。
ただし右の列を見てほしい。設定2と設定4を分けたい場面では、チェリーがブドウの2倍効いている。
理由は設定差の在り処にある。ブドウの設定差は5→6にほとんど集まっていて、中間設定の間ではほとんど動かない。チェリーはその逆で、2→3と3→4に全部ある。
ブドウは設定6を見つける道具、チェリーは設定4以上かを見る道具。 役割が分かれている。
他の判別要素と足すとどうなるか
非重複チェリーは、BIG・合算REG・ブドウのどれとも重ならない。だから素直に足し合わせられる。
| 設定1vs6 | 設定2vs4 | |
|---|---|---|
| BIG+合算REG+ブドウ | 2.510 | 1.074 |
| +非重複チェリー | 2.609 | 1.289 |
| 上積み | +4.0% | +20.0% |
設定6を探す場面では4%。中間の境目では20%上がる。ブドウが最も苦手にしている領域を、チェリーが埋めている形になる。

ただし、20%上がっても届く先は低い
ここは正直に書いておきたい。
設定2と設定4を有意(Z=2.0)に分けるには、全部足しても19300ゲーム必要になる。チェリーなしなら27700ゲーム。確かに縮まるが、どちらにせよ一日では届かない。
Z値を二択の正答率に直すとこうなる。設定2か設定4かを当てる勝負で、間違える確率だ。
| 間違える確率 | |
|---|---|
| BIG+合算REG+ブドウ | 29.6% |
| +非重複チェリー | 26.0% |
チェリーを一日数え切って、外す確率が3割から2割6分になる。 それがこの20%の中身だ。
念のため書いておくと、Z値2.0は統計学の慣習的な線であって、打ち手の目標ではない。有意差の証明を待っていたら閉店が先に来る。判断に使うのは白黒の判定ではなく、今どのくらい確からしいかという感覚の方だ。
それでも、3.6ポイントという数字は知っておいた方がいい。チェリーは難しい問いを少し楽にするが、解けるようにはしない。
落とし穴その1:全部のチェリーを数えると?
さっき「数えるのは非重複チェリー」と書いた。もし全部のチェリーを数えたらどうなるか。
ネット上にある、チェリーの設定差についての情報は、ほぼ非重複チェリーのものだ。全部のチェリーを合計した確率はあまり見ない。だから全部数えた人も非重複の確率を照合してしまう可能性がある。
| 実際の設定 | 全部数えた場合の回数 | 非重複の表での見かけ |
|---|---|---|
| 設定1 | 227回 | 設定4以上(225回)を超える |
| 設定3 | 234回 | 設定4以上を大きく超える |
| 設定6 | 246回 | 設定4以上 |
全部数えると、設定1の台まで「設定4以上」に見える。 判別要素として死ぬだけでなく、常に高設定の答えを返す装置になる。
しかも間違える方向は一定。重複ぶんを余計に数えているので必ず多めに出る。低設定の台に粘る方向にだけずれていく。
ペカったゲームのチェリーは数えない。 これを外すと、あとの努力が全部無駄になる。
落とし穴その2:取りこぼしは判別を壊す
もうひとつが目押しだ。
チェリーを取りこぼしても、出目に異常はない。取りこぼしは「起きたこと」ではなく「起きなかったこと」なので、どこにも記録が残らないのだ。
そして、これが効く。
8000Gの期待回数は225回。設定1との差は15回しかない。つまり、225回のうち11回落とすと、設定4以上の台が設定1に見える。
1時間あたり1回か2回。「たぶん取れてると思う」で済ませられる回数ではない。
しかもこの誤差は一方向にしか働かない。チェリーをこぼすことはあっても、チェリーでないものをチェリーと数えることはない。上下にブレる誤差ならゲーム数を重ねれば薄まるが、片側に偏る誤差はいくら回しても消えない。8000G回した先にあるのは精度の上がった間違いになる。

落とし穴その3:押し引きには使えない
多くの人は2000Gや3000Gの時点で一度データを見て、粘るかやめるかを考えると思う。チェリーはその使い方に一番向いていない。
3000G時点の期待回数を出してみる。
| 設定 | 3000Gの期待回数 |
|---|---|
| 設定1・2 | 79回 |
| 設定3 | 81回 |
| 設定4・5・6 | 84回 |
上下の差が5回しかない。それに対して、引きムラの標準偏差は9回ある。誤差の方が設定差より大きい。 この時点でチェリーは何も語らない。
序盤のチェリーはブドウより強く嘘をつく
どのくらい危ないかをブドウと並べてみる。本物の設定6の台が「設定1の期待値以下」に見えてしまう確率だ。
| チェリー | ブドウ | |
|---|---|---|
| 2000G | 31.6% | 19.2% |
| 3000G | 26.7% | 15.1% |
| 8000G | 15.3% | 4.4% |
2000Gなら3回に1回、3000Gでも4回に1回、設定6が設定1以下に見える。 ブドウでも序盤は信じるなと以前書いたが、チェリーはそれよりさらに強く嘘をつく。
設定2と設定4を分ける場面ならチェリーの方がブドウより効く、と先に書いた。ただしそれは3000GでZ値0.436対0.212という比較で、どちらも何も語っていない中でわずかにマシというだけの話だ。五十歩百歩と言っていい。
だからチェリーは、ブドウ以上に厳しく扱う必要がある。数えるが、終日打ち切るまで見ない。 途中経過を確認した時点で4回に1回の嘘に引っ張られる。カウンターの数字を見るのは閉店前でいい。

半端に数えるなら、数えない方がいい
チェリーが意味を持ち始めるのは終盤だ。ところが終盤は、目押しもカウントもいちばん雑になる時間帯でもある。誤差が集中する時間帯と、データを使いたい時間帯が重なっている。
途中まで数えて後半は適当、という一日のデータは使えない。前半だけのものとして扱うしかなく、8000G分のつもりで照合すれば、後半の取りこぼしが全部「低設定」の方向に効く。
数えるなら朝から終日、通しで。半端に数えるくらいなら最初から数えない方がいい。
まとめ:数えていい人、数えなくていい人

ここまでをまとめると、マイジャグのチェリーの立ち位置ははっきりしている。
押し引きの材料にはならない。 序盤は誤誘導の方が強く、途中で見ると4回に1回は嘘に引っ張られる。使えるのは終日打ち切った後の答え合わせだけだ。
チェリーで分かるのは、実質「設定1・2か、設定4以上か」の一問だけ。設定3と設定4の境目すら、はっきりとは見えない。
BIGと合算REGとブドウを見ている人が足して上積みは2割ほど。外す確率が3割から2割6分になる程度で効かないわけではないが、判断がひっくり返るような要素ではない。
そして他の要素と違って、チェリーは下手に数えると引き算になる。 合算REGとブドウは目押しが要らないので判別を壊しようがないが、チェリーは自分の精度がそのままデータの精度になる。
だから、少しでも判別精度を上げたい人で、目押しと集中力に自信がある人はどうぞ、という位置づけになる。そうでないなら、合算REGとブドウだけで何の問題もない。むしろその方が正確な判別ができる。

冒頭に書いた通り、私は数えていない。設定4は展開次第で降りるので、知りたいのは設定4と設定5の境目になる。非重複チェリーはそこが完全に同じ値なので私にとっては情報がゼロだからだ。
設定4以上なら喜んで終日打つ、という人なら話は別になる。その人にとっては、チェリーが答える一問と、知りたい一問がちょうど一致している。
チェリーは狙う。狙わないと機械割が落ちるから。数えるかどうかはそれとは別の話になる。


